アースシップと電気
2月の寒い冬に敢えて訪問した、ニューメキシコ州
タオスにあるアースシップ。
予想はしていたけど、予想を超えた量の雪が降る中
ここぞとばかりに、家の仕組みを色々と見てきました。
今回は、アースシップでのオフグリッド生活を
可能にしている、電気の供給について
シェアしますね。
太陽から電気をまかなう暮らし
アースシップの屋根の南面には、ソーラーパネルが
ずらりとたくさん取り付けられていて、
家そのものが電力を「収穫」してくれます。
ちなみに屋根の上部というと、雨水をキャッチするための
仕掛けがあるので、そこにはソーラーはついていません。
周囲に高い建物もなければ、山も離れているので
太陽が出ている日においては、日当たりは最高。
ソーラーパネルで発電した電力は、バッテリーに
蓄電されるため、そのバッテリーも見せてもらいました。
今回は、最初の2泊は2016年に完成した
Pictures Earthshipに泊まり、
後半2日は移動して、2015年モデルの
Waybee Earthshipに泊まったので
両方のバッテリーシステムをチェック。
*どちらも2ベッドのスタンダードモデルなので
家のサイズは同じくらい。
どちらの家にもこのような装置がつけられていて
さらに建てられた年は一年しか変わらないのに
システム自体は、新しい家の方が進化しているそう!
世界中にアースシップを常に建て続けることで
年々改良が重ねられて、よりよいモデルを
生み続けられるというのは、本当に素晴らしいと思います。
アースシップと風力発電
タオスのアースシップでは、メインとして
ソーラー発電が使われているけれど、
風力発電にも力を入れています。
タオスでは、どの家もソーラーパネルはついているけど
風力タービンは、ついてる家とついてない家が
見られました。
風力発電にいたっては、独自の発電機をつくり
家の一部として、どんなアースシップにも
取り付けられるようになっているのだそう。
こちらのタービンは、すでに開発当初から4代目で、
通常のプロペラのものと違って、垂直方向のシステムで
さらに音も静かなのだそう。
ここでもアースシップらしく、タイヤが
システムの一部に組み込まれています。
しかも、廃棄物でデコレーションまでされてて可愛い。^^
アースシップとガス
私たちが泊まったアースシップのキッチンでは
実は、ガス調理器も使われていました。
自家製(?)のガスではないため、厳密にいうと、
このモデルは、オフグリッドではないんです。
マイケル曰く、人は電気よりも火で調理したい
という、本能的な欲求があるから、
ここでは敢えて、ガス供給会社からのガスを
使っているとのこと。
さらに、雪の日が続くタオスで、ある朝
シャワーを浴びていたら、どこからか
割と大きな異音が聞こえてきました。
マイケルに確認すると、これはシャワーの
温水を作るのに、ガスが使われている
サインなのだそう。
晴れの日は、2~3人がシャワーを浴びてもOKだけど
曇りの日に、二人が同時にシャワーを浴びると、
温水が足りなくなることがあり、そんな時は
自動でソーラー電力からガスに切り替わるように
なっているとのこと。
雪の日に、冷水でシャワーを浴びるのは
かなり酷なので、とっても助かったー。^^;
タオスのような天気だと、一年のうち1/4くらいは
ガスに自動で切り替わることがあるみたい。
他のプライベートなアースシップでは
完全オフグリッドの生活をしたくて
ガスを搭載していない人もいるみたいで
マイケル自身も、将来的には*バイオガスを
もっと取り入れたいとのこと。
*排泄物が分解されるとき、嫌気性微生物によって
メタン発酵することで発生するガスのこと。
ただ、バイオガスのシステムを組み込むと
アースシップを建てるコストが上がったり
システムのメンテナンスなどの手間も加わるので、
まだ現時点では実現には至っていないのだそう。
マイケル曰く、ガスの消費量は年間を通しても
かなり少ないし、「生活の快適さ」も大事だから
いろんなことを秤にかけて、今はここでは
ガスも併用しているとのこと。
ストイックにオフグリッドにこだわることよりも、
自分たちが心地よい範囲でオフグリッドにしてる
マイケルの姿勢が、ちょっと意外であり
同時に、個人的にはとても共感したのでした。^^
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