前回の続きです。
徳島の廃校になった小学校に、アメリカから
アースシップの創立者、マイケル・レイノルズ氏が
くるということで、この日は全国各地から
アースシップに興味のある方達が
会場に集まっていました。
講演はまず、子供向けの教育の一環として
小さな子供でもわかる平坦な言葉で書かれた
アースシップのエッセンスの詰まったアニメの紹介から
スタートしました。
実際、子供向けに作ったものの、蓋を開けてみると
これが、大人たちにもすんなりと受け入れてもらえる
ということに気づいたのだそう。
実際はもっと沢山のスライドがあったのだけど、
これはそのほんの一部↓
太陽は、私たちを暖かくしてくれる。
もしも、暖かくなりすぎたら、地球の奥の方の
熱の届いてない、ひんやりとした所にいけばいい。
地球は私たちに、心地よいすみか(シェルター)を
もたらしてくれる。
私たちに必要な水は、空から降ってくる。
地球は、私たちに必要な食べ物を実らせてくれる。
うんちを循環させることで、私たちが食べたものを
土に戻し、そこからまた食べ物を作ることができる。
太陽や風によって、私たちの生活を便利にするための
電力をつくることができる。
地球と協力すれば、電力をつくれる。
もともと地球には、「ゴミ」なんてものはなかった。
「ゴミ」は人間が発明したもの。
でも、ゴミの使い道をみつけたら、ゴミはゴミじゃなくなる。
ゴミのいい使い方を見つけるのは、私たちの役目。
私たちがこの地球で暮らしていくために必要な
6つのこと。
1. 快適なすみか
2. 水
3. たべもの
4. 人のうんちやおしっこ(排泄物)の処理
5. 電力
6. いらないもの(ゴミ)の処理
もし私たちが、船で海を航海していたら、
これら6つをどうにかしないといけない。
もし私たちが宇宙船で宇宙を旅していても
これら6つをどうにかしないといけない。
海でも宇宙でも、この6つのことを
船の中でどうにかしないといけない。
私たちは、「宇宙船地球号」に住んでいる。
ここでも、この6つのことをどうにかしないといけない。
私たちが地球に住むのにも、船がいる。
そう「アースシップ」だ。
「アースシップ」が、私たちの暮らしに必要なものを
与えてくれる。
そして、そのためには、この地球のことを、
今よりもっと知ることがとっても大切。
なんて、シンプル!!
地球は、私たちが生きてくのに必要なものを
全て与えてくれているという、まさに、
ギフト・エコロジーのお話も織り交ぜた
子供向けのアニメは、大人の心にも
すっと入ってくる感じ。
アースシップは、地球のどこにいても、
インフラにつながっていなくても、
この6つのニーズを満たしてくれる家。
実際に、彼は過去にも、人々に馬鹿にされ笑われつつも
インフラが到達しえない険しい山などに、
敢えてアースシップを作る実験を通して、
アースシップはどんな土地でも作れること、
そして、人間は地球のどこでも生き延びることが
できるということを証明しました。
さすがは、サステイナブル界の極限に挑む
レジェンド。
さらに、スライドショーとともに、
アースシップのコンセプトや、6つのエッセンスについての
説明を続けるマイケル氏。
\
印象的だったのは、彼がアースシップを建てるのに使う
古タイヤや空き瓶、プラスチックボトルのことを
「Indigenous(天然資源)」「Natural Resource」(自然資源)」
と呼んでいたこと。
今や、古タイヤや空き瓶、というのは、どこの国にも
まるで天然資源のごとく豊富にあるという
若干の皮肉も込めての、的をついた表現。
彼自身、地球上に存在する全てのゴミや有害物質の
いい利用法を見つけているわけではないけれど
ある種のゴミがかなりある場合、それを天然資源とみなし
「これは何に使えるだろう?」という思考回路が
働き始めるのだそう。
「全てのものには、いい使い道があるはずだから
多くの人たちがクリエイティブに考えれば、
きっと何か新しいアイデアが生まれるはずだし
子供達にも、そういう思考回路を持って欲しいんだ」
常に、物事を独特な見方をする彼のアイデアと
地球に住む私たちの未来をどうにかしたいという
想いがかけ合わさって生まれた、アースシップ。
彼が新しく作った、「バイオテクチャー」という学問は
「バイオ(生命)」と「アーキテクテャー(建築)」を
掛け合わせたもの。
太陽、雨、風、重力、蓄熱などといった、
自然界の法則をうまく使いながら、地球上で
私たちがサステイナブルに生きていくことを
建築の視点から新たに引き出すための学問。
当然、生物学や物理学の内容も含めた
トータルな自然科学の知識というのも必要。
自然の現象というのは、人を殺すことすらあるけど
上手く使えば、人が生き延びることにも活かせるもの。
アースシップは、ある日突然マイケルがひらめいて
今あるような形で誕生したというよりは、
自然の現象を使った地道な試行錯誤の中で生まれ、
失敗を重ねながら、今日まで進化しているのだそう。
そして、住むにしても、受け身で住むのではなくて
自分の住む場所の気候や、環境の特性、さらには
太陽の角度や、空気の流れをも理解した上で
自然の現象を、日々の生活の中で利用してこそ
アースシップが威力をフルに発揮するとのこと。
もう一つ、すごくいいなと思ったのは、
世界中の、どの経済的な状況にいる人たちにも
6つのニーズを満たせるアースシップが
用意されているということ。
デザインや大きさも自由な「カスタム・アースシップ」、
核家族が快適に住める「スタンダード・アースシップ」、
そして、ミニマルな「エコノミー・アースシップ」。
見栄えや大きさの違いというのはあって
住む人が自由にチョイスできるというのが
万人に開かれた感じで良いなと思いました。
これこそが、アースシップが世界中で受け入れられている
ポイントの一つだなぁ。
講演のあとは、地元のおじちゃん達も混ざっての
大バーベキュー&宴会コース!!
集まった人たちの熱気がすごかったーーー!!
注いでいただいたお酒の量も、半端なかったー。苦笑
徳島のことが、一気に大好きになった夜。
翌日の朝は、かなり頑張って起きて、笑
アースシップの具体的な講義からスタート。
地震大国である日本では、円形のアースシップが
耐震性に優れる、というお話から。
その後、ともちゃんが実際にアースシップを建設する予定の
山奥の土地までみんなで移動し、そこで実際に
タイヤに土を詰めるワークを体験しました!!
まずは、マイケルがお手本を見せてくれることに。
彼自身、まだアースシップを建てる現場では
率先してこのタイヤワークをしているそうで
この作業がとっても好きなのだそう。
まず、タイヤの下にダンボールを敷いて
その中に、石や草などを取り除いた土を入れ、
ハンマーで叩いてギュウギュウにします。
その後、参加者が小グループに分かれて
それぞれのタイヤに土を入れ、ハンマーで叩いて
タイヤレンガを実際に作ってみることに。
私も張り切ってトライ!
さらに、地元のテレビ局まで来ていて、
土まみれなところを取材されました。^^;
実際にこうして土まみれになって作業することで
アースシップは自分の手で建てられるんだという
新しい意識が自分の中に入ってきて、すごく新鮮でした。
余談なのだけど、これらの古タイヤというのは
ともちゃんが今住む家の隣が、なんとタイヤ屋さんで、
そこからのコネクションでゲットしたみたい。
強力マグネットのごとく、必要なものを引き寄せる
ともちゃんパワー、凄い!!
丸二日にわたる、徳島でのアースシップ体験。
マイケル、ともちゃん、そして沢山の人たちに
出会えて、私の中で、新しいドアが思い切り
バーンと開いた、2017年の秋。
今回のアースシップ体験、これにて完結〜^^
、、、とはならず、実は単なる序章だったというのを
まだこの時の私は、知らなかったのでした。
(つづく)
アースシップの「6つのエッセンス」
/カテゴリ: サステイナブル・ライフスタイル前回の続きです。
徳島の廃校になった小学校に、アメリカから
アースシップの創立者、マイケル・レイノルズ氏が
くるということで、この日は全国各地から
アースシップに興味のある方達が
会場に集まっていました。
講演はまず、子供向けの教育の一環として
小さな子供でもわかる平坦な言葉で書かれた
アースシップのエッセンスの詰まったアニメの紹介から
スタートしました。
実際、子供向けに作ったものの、蓋を開けてみると
これが、大人たちにもすんなりと受け入れてもらえる
ということに気づいたのだそう。
実際はもっと沢山のスライドがあったのだけど、
これはそのほんの一部↓
太陽は、私たちを暖かくしてくれる。
もしも、暖かくなりすぎたら、地球の奥の方の
熱の届いてない、ひんやりとした所にいけばいい。
地球は私たちに、心地よいすみか(シェルター)を
もたらしてくれる。
私たちに必要な水は、空から降ってくる。
地球は、私たちに必要な食べ物を実らせてくれる。
うんちを循環させることで、私たちが食べたものを
土に戻し、そこからまた食べ物を作ることができる。
太陽や風によって、私たちの生活を便利にするための
電力をつくることができる。
地球と協力すれば、電力をつくれる。
もともと地球には、「ゴミ」なんてものはなかった。
「ゴミ」は人間が発明したもの。
でも、ゴミの使い道をみつけたら、ゴミはゴミじゃなくなる。
ゴミのいい使い方を見つけるのは、私たちの役目。
私たちがこの地球で暮らしていくために必要な
6つのこと。
1. 快適なすみか
2. 水
3. たべもの
4. 人のうんちやおしっこ(排泄物)の処理
5. 電力
6. いらないもの(ゴミ)の処理
もし私たちが、船で海を航海していたら、
これら6つをどうにかしないといけない。
もし私たちが宇宙船で宇宙を旅していても
これら6つをどうにかしないといけない。
海でも宇宙でも、この6つのことを
船の中でどうにかしないといけない。
私たちは、「宇宙船地球号」に住んでいる。
ここでも、この6つのことをどうにかしないといけない。
私たちが地球に住むのにも、船がいる。
そう「アースシップ」だ。
「アースシップ」が、私たちの暮らしに必要なものを
与えてくれる。
そして、そのためには、この地球のことを、
今よりもっと知ることがとっても大切。
なんて、シンプル!!
地球は、私たちが生きてくのに必要なものを
全て与えてくれているという、まさに、
ギフト・エコロジーのお話も織り交ぜた
子供向けのアニメは、大人の心にも
すっと入ってくる感じ。
アースシップは、地球のどこにいても、
インフラにつながっていなくても、
この6つのニーズを満たしてくれる家。
実際に、彼は過去にも、人々に馬鹿にされ笑われつつも
インフラが到達しえない険しい山などに、
敢えてアースシップを作る実験を通して、
アースシップはどんな土地でも作れること、
そして、人間は地球のどこでも生き延びることが
できるということを証明しました。
さすがは、サステイナブル界の極限に挑む
レジェンド。
さらに、スライドショーとともに、
アースシップのコンセプトや、6つのエッセンスについての
説明を続けるマイケル氏。
\
印象的だったのは、彼がアースシップを建てるのに使う
古タイヤや空き瓶、プラスチックボトルのことを
「Indigenous(天然資源)」「Natural Resource」(自然資源)」
と呼んでいたこと。
今や、古タイヤや空き瓶、というのは、どこの国にも
まるで天然資源のごとく豊富にあるという
若干の皮肉も込めての、的をついた表現。
彼自身、地球上に存在する全てのゴミや有害物質の
いい利用法を見つけているわけではないけれど
ある種のゴミがかなりある場合、それを天然資源とみなし
「これは何に使えるだろう?」という思考回路が
働き始めるのだそう。
「全てのものには、いい使い道があるはずだから
多くの人たちがクリエイティブに考えれば、
きっと何か新しいアイデアが生まれるはずだし
子供達にも、そういう思考回路を持って欲しいんだ」
常に、物事を独特な見方をする彼のアイデアと
地球に住む私たちの未来をどうにかしたいという
想いがかけ合わさって生まれた、アースシップ。
彼が新しく作った、「バイオテクチャー」という学問は
「バイオ(生命)」と「アーキテクテャー(建築)」を
掛け合わせたもの。
太陽、雨、風、重力、蓄熱などといった、
自然界の法則をうまく使いながら、地球上で
私たちがサステイナブルに生きていくことを
建築の視点から新たに引き出すための学問。
当然、生物学や物理学の内容も含めた
トータルな自然科学の知識というのも必要。
自然の現象というのは、人を殺すことすらあるけど
上手く使えば、人が生き延びることにも活かせるもの。
アースシップは、ある日突然マイケルがひらめいて
今あるような形で誕生したというよりは、
自然の現象を使った地道な試行錯誤の中で生まれ、
失敗を重ねながら、今日まで進化しているのだそう。
そして、住むにしても、受け身で住むのではなくて
自分の住む場所の気候や、環境の特性、さらには
太陽の角度や、空気の流れをも理解した上で
自然の現象を、日々の生活の中で利用してこそ
アースシップが威力をフルに発揮するとのこと。
もう一つ、すごくいいなと思ったのは、
世界中の、どの経済的な状況にいる人たちにも
6つのニーズを満たせるアースシップが
用意されているということ。
デザインや大きさも自由な「カスタム・アースシップ」、
核家族が快適に住める「スタンダード・アースシップ」、
そして、ミニマルな「エコノミー・アースシップ」。
見栄えや大きさの違いというのはあって
住む人が自由にチョイスできるというのが
万人に開かれた感じで良いなと思いました。
これこそが、アースシップが世界中で受け入れられている
ポイントの一つだなぁ。
講演のあとは、地元のおじちゃん達も混ざっての
大バーベキュー&宴会コース!!
集まった人たちの熱気がすごかったーーー!!
注いでいただいたお酒の量も、半端なかったー。苦笑
徳島のことが、一気に大好きになった夜。
翌日の朝は、かなり頑張って起きて、笑
アースシップの具体的な講義からスタート。
地震大国である日本では、円形のアースシップが
耐震性に優れる、というお話から。
その後、ともちゃんが実際にアースシップを建設する予定の
山奥の土地までみんなで移動し、そこで実際に
タイヤに土を詰めるワークを体験しました!!
まずは、マイケルがお手本を見せてくれることに。
彼自身、まだアースシップを建てる現場では
率先してこのタイヤワークをしているそうで
この作業がとっても好きなのだそう。
まず、タイヤの下にダンボールを敷いて
その中に、石や草などを取り除いた土を入れ、
ハンマーで叩いてギュウギュウにします。
その後、参加者が小グループに分かれて
それぞれのタイヤに土を入れ、ハンマーで叩いて
タイヤレンガを実際に作ってみることに。
私も張り切ってトライ!
さらに、地元のテレビ局まで来ていて、
土まみれなところを取材されました。^^;
実際にこうして土まみれになって作業することで
アースシップは自分の手で建てられるんだという
新しい意識が自分の中に入ってきて、すごく新鮮でした。
余談なのだけど、これらの古タイヤというのは
ともちゃんが今住む家の隣が、なんとタイヤ屋さんで、
そこからのコネクションでゲットしたみたい。
強力マグネットのごとく、必要なものを引き寄せる
ともちゃんパワー、凄い!!
丸二日にわたる、徳島でのアースシップ体験。
マイケル、ともちゃん、そして沢山の人たちに
出会えて、私の中で、新しいドアが思い切り
バーンと開いた、2017年の秋。
今回のアースシップ体験、これにて完結〜^^
、、、とはならず、実は単なる序章だったというのを
まだこの時の私は、知らなかったのでした。
(つづく)