ヴィパッサナ瞑想記 in カリフォルニア 9

 

Day 10

 

ついにやってきた、コースの最終日。

 

この日の朝9時には、「聖なる沈黙」が

解かれることになっています。

 

その前に、ゴエンカ師からの

「メッタ(慈愛)」の教えがありました。

 

 

瞑想で心が浄化されたら、後に残るのは

全ての生きとし生けるものに対する

純粋な慈愛。

 

 

全ての生きとし生けるものが

苦しみから解放され

安らぎと調和に満ちた

真の幸せを享受できますように、、、

 

 

Be Happy

 

Be Happy

 

Be Happy…….

 

 

このような波動で心を見たし

ついに「聖なる沈黙」が終了、、、!!

 

 

瞑想ホール付近では

まだ沈黙を守るようにとありましたが

ちょっと外に出てみると

瞑想ホールから少し離れた辺りから

興奮気味に話をしている女性達の声が

さっそく聞こえ始めました。

 

 

正直、まだ私は他の人と話をする

心の準備ができていなかったので

その時は、また瞑想ホールに戻って

瞑想を続けていました。

 

しかし、ランチタイムになってしまったので

大きく深呼吸をしてから意を決し

参加者達の笑顔と話し声で溢れ返っているであろう

ダイニングルームへと向かいました。

 

 

ダイニングルームは予想通り

女性達のしゃべり声とともに

いつになく活気に満ちたエネルギーが

充満していました。

 

ランチを自分の皿に盛り

とりあえず空いていた席に座ると

目の前の人に話しかけられたので

自然と会話が始まりました。

 

 

それまで、ティーチャーやマネージャーとは

必要に応じて話していたので、喋ること自体は

10日ぶりではなかったものの

10日ぶりにまともに話すと

自分の声が少し低くなっていたことや、

話し方がスローで穏やかになっていたことに

気づきました。

 

無事に社交のリハビリを終え

ダイニングルームの外の庭に出たとき

「Hiromi!!! 久しぶりーーーーーー!!」

と言う声が。

 

聖なる沈黙が始まる直前まで話し

「じゃあ10日にまたね!」と言って

にっこりして会話を終えた

2人部屋の相方ソニアが私を見つけ

満面の笑顔で近づいてきました。

 

 

「ソニア、身体の具合はどう?

風邪で辛かったでしょう」

 

「もうほんと参っちゃったわ。

3日目辺りなんて発熱してたの。

Hiromiにうつらなくてほんとよかったわ。

あなた丈夫ね~。」

 

 

その後、お互いの体験談を語り合ううちに

この素晴らしい体験を分かち合うことによる

嬉しさで心が高揚し、この日の夜は

消灯時間が過ぎても沢山おしゃべりして

お互い、新たなインスピレーションで

満たされたのでした。

(おかげで、翌朝は喉が痛くなりましたが、、、。)

 

ひたむきに、且つ着実にヴィパッサナの道を

歩んでいるソニアは、以前コースに参加してから毎日

朝晩の瞑想を続けていたとのこと。

 

そしてこれから、2日後に始まる

「古い生徒向けの3日間コース」で

サーブ(参加者の為の食事の用意など)を努め

さらには、その翌週から再び10日間コースに

参加するんだと言っていました。

 

 

「ちょうど今、古いサンカーラが

どんどん出てきてる途中って感じ。

 

だからもう少しセンターに残って

集中的に深い修行を続けたいの。」

 

 

ソニアとは、これからもかけがえのない

ダンマシスターとして、また時々会って一緒に座ろう

と約束しました。

 

 

心の浄化を続けることで、心に蓄えられた

「過去の条件づけ」を積み減らし

「今」という瞬間を

何にも囚われない純粋な心を持って生きる

、、、という生き方。

 

 

心の平静さ、そして世界に対する慈愛の心を

育み続けることで、安らかで調和のとれた

幸せな人生を歩む、という生き方。

 

 

そして、これらの生き方を選ぶ

波動としての「私」。

 

 

大切なのは、10日間コースで一度に

心を浄化しようとすることではなく

これを、日々の生活の一部にしていくこと。

 

これからは、日々きちんと瞑想を続けることで

心の奥にある不必要なものをさらに手放し

真に幸せな人生を歩もうと

コースを終えて新たに決意したのでした。

 

激動の毎日から、平静で調和のとれた

幸せな毎日のために、、、。

 

 

Be Happy!!  Be Happy!!  Be Happy!!

 

 

 

(完)