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リレーショナル・マインドフルネス(2)<弱さと繊細さ>

 

 

前回の続きです)

 

エデン曰く、リレーショナル・マインドフルネス においては、

何をするにもまずは「今ここ」における自分自身の内側に

意識を向けることから始まります。

 

なぜなら、ありのままの自分自身と深いレベルでつながっていないと

その先、目の前の人や出来事と深くつながることは難しいから。

 

 

そのためにはまず、自分自身に正直であること。

 

 

あらためて思い起こせは、私たちは、普段どれだけ、

自分自身に対して正直であるのだろう?

 

どんな部分を「正直に見たくない/見せられない」と

思い込んでしまっているだろう?

 

親や学校、社会から受けとってきた以下のようなメッセージが、

どれだけ自分の本心をみせることを困難にしてしてきただろう?

 

 

「こんなことで泣いちゃだめ」

 

「もっと強くあれ」

 

「お前は繊細すぎだ」

 

「もういい加減、大人なんだから」

 

「助けを乞うな、自己責任だ」 etc

 

 

こういったメッセージが心の中で、まるで言霊のように

繰り返し響くことで、自分の生き方の血肉となってしまい、

自分を守るため、または人に迷惑をかけないために、

自分の一部である「弱さ」や「繊細さ」を必死に否定し、

隠したり誤魔化したり、切り離したりして、強くあろうとしてしまう。

 

そして、その「弱い自分」をカバーするがごとく、

「タフな奴」「忙しい人」「仲介役」「お笑いキャラ」

「専門家」「キラキラ系」「気にしない人」「お世話係」

というような「仮面」をつけるようになってしまう。

 

「どんなときもポジティブ思考!」というのも、時として

弱さや繊細さに向き合わないための「仮面」となってしまう。

 

さらには、時が立つにつれ、仮面をつけていることすら忘れ、

それを自分自身だと思い込むようになってしまう。

 

けれども、正直な自分の「弱さ」や「繊細さ」は、

仮面を付けたからといって、完全に消すことはできないもの。

 

それらは、長年無視されたり、隠されたり、切り離されたことで

「痛み」として、心の奥深いところに存在し続けている。

 

その痛みは決して小さくはなく、麻痺させないと生きていくのが辛いため、

つい、仕事、お酒、買い物、ギャンブル、セックス 、などといったことに

中毒的に依存して、麻痺を持続させるようになってしまうことも。

 

けれど、こうして「痛み」の感覚を麻痺させることは、

「感じる能力」そのものを麻痺させることにつながり、

「喜び」の感覚すらも同時に麻痺していってしまう。

 

こうして、自分自身の心がどんどん収縮してしまうのです。

 

 

 

そこでまずは、今までの自分を守ってきてくれた仮面の存在や

自分の心の奥にある「弱さ」や「繊細さ」といった、

自分の大切な一部を受け入れ、ピュアで正直な自分を発見し

そこに繋がることからスタートしていきます。

 

呼吸に意識を向け、リラックスした状態に入ってから、

以下に述べるような問いとともに、好奇心とオープンさを持って、

マインドフルに心の中を観察していきます。

 

 

「弱さ」「繊細さ」につながり直す問い

 

 

・育つ過程で、「弱さ」や「繊細さ」を感じることについて

誰からどんなメッセージを受け取ってきただろう?

 

・自分が「強くあるとはこういうことだ」だと信じてきたものは、

人生にどう影響を与えてきただろう?

 

・自分が信じる「強さ」を大事にするがあまり、隠そうとしていること、

切り離そうといること、無視していることはあるだろうか?

→あるとすれば、そうすることでもたらされる影響はどんなものだろう?

( 身体、感覚、心のレベル)

 

・苦しい時、弱さや繊細さに向き合う代わりに、どんな方法で目を背けてきた?

→それによって状況はどうなった?

 

・どんな考えや行動が、弱さを出すことへの恐れを物語っているだろう?

 

・自分の中の「誰(インナーチャイルド)」が、弱さから目を背けているだろう?

 

・どういうときに、他の人に自分の弱さや繊細さを出せるだろう?

 

・どういうときに、他の人の弱さや繊細さを受け止めることができただろう?

 

 

どんな考えや感情、感覚が心に浮かんでも、ありのままに

あらゆる角度から、それに気づいているようにします。

 

 

「仮面」に気づくためのマインドフルネス

 

 

・自分は、どんな場面で、どんな仮面をつける癖があるだろう?

→それがもたらす影響は? (身体、感覚、心のレベル)

 

・子供のころ、「どんなことなら言っていい/言ってはだめ」という

メッセージを受けとっただろう?

 

・「仮面をとってみる」というリスクを冒すと、どうなるだろう? 

(良いこと、障害、感情の変化、etc、、、)

 

・どんな環境で、どんな助けがあると、安心して仮面を取れるだろう?

 

・他の人が仮面を取ったのを見たとき、自分はどう感じただろう?

(経験があれば)

 

 

ここでも、どんな考えや感情、感覚が心に浮かんでも、

ありのままに、あらゆる角度から、それに気づいているようにします。

 

 

 

 

正直な心で相手と繋がるためには、まずは何より

自分自身が、正直な心の声に意識を向けることから。

 

 

エデン曰く、意識を向けるという行為そのものが

「最も繊細な愛のかたち」。

 

 

自分の「弱さ」や「繊細さ」に対して、批判や否定をせずに

マインドフルに意識をむけ、それに気づいている。

 

それは、「弱さ」や「繊細さ」をも含んだ

正直なありのままの自分の存在は、仮面をつけた自分よりも

もっと愛おしいものだということを思い出すプロセス。

 

 

仮面を外したありのままの自分に気づき、受け入れ、愛すること。

 

 

これが、相手との間で、お互いのありのままを受け入れ合い

本物のつながりや親密さを成熟させていくための、

最初の一歩となるのです。

 

 

Your task is not to seek for love, but merely to seek and find

all the barriers within yourself that you have built against it.

-Rumi

 

あなたがやるべきことは、愛を探すことではありません。

ただ、愛に対して作ってきた全ての「心の壁」を探すことです。

– ルーミー

 

 

つづく