スクワットとコミュニティガーデンin NY

 

レンガづくりのアパートの立ち並ぶ

カラフルな街、NY。

 

今回のステイ先は、イーストビレッジに隣接する

アルファベット・シティのAvenue C 通りにある

友人キャシー&ガブリエル夫妻のお宅。

 

アルファベットシティ

 

このAvenue C 通りには、雰囲気の良いカフェや

ワイン専門店、小さなレストランなども多いので

わざわざマンハッタン西側のチェルシーまで

足を運ばずとも、毎日美味しいものが楽しめる

私的には居心地のいいストリート。

 

本日も、半ブロック先のレストランにて

ラテンジャズの生演奏と共に

美味しいブラジリアン料理を堪能。

 

アルファベットシティ

 

ところで、このキャシーのお宅、

一見、普通のアパートに見えるのですが、、、

 

実は、このレンガづくりのビルには

とある秘密があります。

 

キャシーと言えば、私の友人の中でも飛び抜けて

「型破り」な生き方をしているのですが

その彼女のエネルギーとマッチするかのごとく

このアパートのビルも、これがまたとっても

「型破り」なのです!

 

このビルの秘密、、、

 

一言でいうと、、、

 

 

「スクワット」!

 

 

何を隠そう、このビルは

「型破り」という文字通り

70年代後半、持ち主不在で廃墟と化していた時に

反権力・自主性というアナキズム的な主張を持つ

パンク系のミュージシャンやアーティスト達によって

ブレイクインされたらしい。

 

その後、彼らの手で少しずつ修理されながら

今日まで引き続き占有されて、住まれているのです。

 

アルファベットシティ

 

このアパートは、C-Squatと言う名で知られ

実はWikipediaにも載っているほどの知名度。

こちらより。英語のみ)

 

なんでも、NYのパンクロック・シーンの

隠れ聖地にもなっているらしく

アパートに地下には、シークレット・ライブハウスまで!

 

アルファベットシティ

 

有名な映画の撮影が行われたりしたこともある他

身内のパンクロックの仲間の誰かが

ドラッグで逝ってしまった際などは

ここで追悼パーティーが開かれたりもするのだとか。

 

このビル自体が、コミュニティになっている様子。

 

そればかりではなく、このアパートの1階には

Museum of Reclaimed Urban Spaceという

ローカルギャラリーも。

 

Reclaimedとは「再生利用された」という意味。

 

アルファベットシティ

 

そのギャラリーにて、先日、このエリアでの

スクワットの歴史に関するトークショーが

たまたま行われていました。

 

集まっていたのは、アパートの住人たちに加え

このエリアに長年住んでいる感じの

ワイルドな風貌の方々ばかり。

 

アルファベットシティ


アルファベットシティ

 

「スクワット」。

 

日本では聞き馴染みのない言葉かもしれませんが

多くの国においては、スクワットは

事実上の生活スタイルとして存在します。

 

ここNYでの事の発端は、ロバート・モーゼスという人が

1950年代より始めた、ニューヨークの都市計画。

 

NYと郊外を繋ぐ高速道路が沢山できたため

人々は家賃の低い郊外に流出してしまったのだそう。

 

マンハッタンのアパートの大家達は

アパートの税金を滞納し、ついには

負債になってしまったアパートを置き去りにして

ヨーロッパなどの自国に引き上げてしまったのだとか。

 

廃墟となってしまったそれらのアパートは

のちに地元の若者やアーティスト

ホームレス達によってこじ開けられ

修理を施され、住まれ始めたらしいのです。

 

1980年代に入ると、このC-Squatのある

アルファベットシティ一帯は

ホームレスや、ヘロイン、クラックなどの

麻薬ディーラーが蔓延してかなり荒廃し

危険な無法地帯になっていたそうですが

現在では、この辺りの住人達の努力のおかげで

治安も大分回復し、新しい感性を吹き込まれ

活気を取り戻している様子。

 

 

クリエイティブに生き延びようとする

若者たちのパワーが

その地域全体にも広がりを見せるのは

自然な成り行きなのかも。

 

 

また近年は、スクワットに関する

色々な法律も整い、ここ、C-Squatの住人達は

現在はミーティングを月1で行ったり

Co-opに出来るよう、行政との間での

色々な取り決めを守りながら

皆で知恵を出し合いつつ暮らしているようです。

 

 

また、家の周りを散歩していると

このアルファベットシティには

沢山のコミュニティガーデンがあることにも

気づきます。

 

アルファベットシティ

アルファベットシティ

 

スクワットとコミュニティ・ガーデン。

 

持ち主不在の荒れた場所に吹き込まれた

生命の息吹。

 

関わる人達が、高いコミュニティ意識をもって

自分たちの住むエリア全体を、枠にとらわれず

クリエイティブに活性化させるのは

とっても素敵なこと。

 

 

アルファベットシティ

 

トークショーの後は、ほろ酔い気分で屋上に上がり

青い光でライトアップされた

エンパイア・ステート・ビルを眺めながら

資本主義社会の既存の枠にとらわれない

「型破りな生き方」について、色々考えさせられた私。

 

今回も、沢山のインスピレーションをくれたNYC。

 

色んなライフスタイルを肌で感じることができました。

 

キャシー&ガブちゃん、今回もありがとう★

 

これからも、最高にクリエイティブでカラフルな夫婦でいてね。