屋久島の旅(3)マインドフルに歩く時間

 

 

今回、屋久島の森に、人生で初めて入りました。

 

朝、サンライズを見てから

森に入ろうということで

みんなで4時に起き、車で移動したものの、、、

 

見えたのは、サンライズではなくて

海の向こうからこちらに近づいてきている

灰色の雨雲の塊、、、!!

 

 

多分、あの雨の中を、歩くことになるんだよね、、、。

 

「どんな天気でも、全ては完璧だから」

 

、、、という信頼と共に、覚悟を決める朝。

 

森の入り口では、しっかり準備体操をして

森の神様に、安全祈願をしてから入りました。

 

ヒロミ君がここでも一言。

 

「みんな、これから歩く森の中では

スマホとかで写真を撮ることよりも

実際にリアルに自然から何かを感じることを

大切にしてほしい。」

 

 

ヒロミ君のリードで、雨の降る屋久島の森を

みんなで一列になって歩き始める私たち。

 

私はというと、感じるスイッチに切り替えたら

そこからは、心の中にも、頭の中にも

言葉がまともに出てこなくなってしまいました。

 

なので、以下に書く文章も

文章になってないかもしれないけれど

あの時、森の中で感じたことを

残してみようと思います。^^

 

 

みずみずしい生命力で溢れる森。

 

 

私が吐いた息を、植物が吸い

植物が出した息を、私が吸う

 

私と植物の間の、与え合いの関係性。

 

 

宝石のように、きらめく雫。

 

 

とある場所で、大雨のなか休憩をしたのち

今度は、少しディープな道へ入ることに。

 

ここからは、マインドフルに

歩く瞑想タイム。

 

「大地を踏みしめるときは

一歩一歩、そこが到達点であるかのように

感じながら歩いてみて。」

 

「途中、時々足を止めて

そこで、止まってみて。

 

僕たちは、忙しい毎日のなかで

常に、何かに追われるように

あくせく行動しがちだけど、、、

 

実際、何かをやっている最中に

自分が立ち止まれるかどうか、ってのは

すっごく大事なことなんだ。」

 

 

海くんのこの言葉に従い

マインドフルに、歩いたり、止まったりしながら

ゆっくり、自分のペースで進む。

 

 

一歩ずつ足を踏み出すたびに

心のなかで小さな声で

 

着いたー

着いたー

着いたー

着いたー

 

と、繰り返して唱える私。

 

意識を先へ先へと持っていかない。

 

「今、ここ」を感じる。

 

次の足を出す前に、「着いたー」という

満たされた感覚を、しっかり味わう。

 

都会の日常では、常に「行き先」に向かって

一目散に行動していることが多く

エレベーターに乗ってすら、止まらずに

歩く方の側をスタスタ行く派だった私。

 

 

一歩一歩を、満たされた心とともに

丁寧に感じる歩き方。

 

 

次第に、「着いたー」と心の中で言わずとも

その感覚が身体に染み付いてきた感じがして

あぁ、これがマインドフルな状態なのかな、、、

とふと我に返ったり。

 

 

たくさんの木の根をまたぎながら

時に止まりつつ、静かに歩き続ける。

 

もう、どの根がどの木のものかはわからないし

すべての木々が繋がっている感じ。

 

まるで、地球という大きな一つの生命体の

「血管」のような、根っこたち。

 

 

あるときは、足を止めて

雨を身体で感じたり、草花を嗅いだり。

 

あるときは、両手を広げて歩きながら

両脇の草木にタッチしながら進んだり。

 

あるとき、足を止めて

しばらく風に身を任せていたら

周りの木々も私と同じ方向に揺れているのが

目に入りました。

 

その瞬間、、、

すごく不思議な感覚に!

 

それはまるで、太古の昔に

私が「木」だった時代の記憶が

フラッシュバックしたかのような感覚。

 

私も、こんな風に、地に根を張って

仲間の木々たちと、風に揺られながら

こうして立っていたんだっけ、、、。

 

今は人間として生まれてきたけど

それまでに、たくさんの命を巡りながら

形を変えつつ、今日まできたんだったっけ、、、。

 

よく、スピリチュアルな世界では

前世は、どこどこ時代の誰々だった

とかっていうのが話に上がったりするけど

私がそこで感じた自分の太古の前世(?)は

人間ですらない、一本の木でした。

 

 

森の四方八方から響いてくる

風の音、雨の音。

 

さっきまでいた「わたし」が

もうそこには居ない、、、。

 

今思えば、この感覚は、以前参加した

ヴィパッサナー瞑想合宿の後半で感じた感覚と

なんだか似ていた気がします。

 

樹齢1000年以上もの木々に囲まれ

自分が木だった時の記憶に圧倒されつつ

目の前には、時空を超えた感覚が

どこまでも広がっていました。

 

 

とある場所で、一旦全員の到着を待とうということで

土の上に寝っ転がってみる、、、。

 

雨が降ってたのだけど、自分の上には

木々の葉っぱが生い茂っていて

ちょうど良い雨よけに。

 

「守られているな〜」という感覚とともに

横になっていたら、いつの間にか

疲れと安堵の気分からか、本当に寝てしまった私。

 

雨の音を聞きながら、最高の昼寝タイム。

 

 

再び歩く。

 

折れて倒れた大木から

小さな木々や、苔たちが

生い茂っている空間。

 

 

前を歩いていた、えりちゃんの言葉。

 

 

「森には、生と死の境目がないね、、、。」

 

 

 

命が循環している世界。

 

 

諸行無常。

 

 

土、木、動物、菌類、空気、水、太陽の光

 

そこに含まれる、私たち、人間。

 

 

目の前を歩いてる仲間たちの姿をみて

ふと「巡礼」という言葉が浮かびました。

 

志果ちゃんがシェアしてくれた言葉。

 

 

「人間は、より良い未来のために

あれこれ世界を変えようとしがちだけど、、、

 

実は、この世界、地球の方こそが

人間が変わるのをずーっと待っているんだよね。」

 

 

 

しばらく自分のペースで歩いていたら

だんだん、前のグループとの間隔が

大きくなって、みんなが散り散りに。

 

 

「はぅぅぅぅぅぅーーーーー〜〜〜〜」

 

 

遠くから聞こえてくる、ハウリング(狼の遠吠え)。

 

これは、森に入る前に、みんなで練習していた

仲間との確認を取り合うコミュニケーション。^^

 

ここぞとばかりに、こちらも大声でハウリング返し。

 

おかえり〜! 私の野性。笑

 

鹿にも遭遇。^^

 

 

マインドフルに森の中を歩いていると

難しいことは何も考えられなかったし

言葉すら、だんだん出てこなくなった。

 

感じることに切り替えると

最終的に残ったのは、万物との一体感。

 

あと、懐かしさと、安心感。

 

うまくまとまった文章にできなかったけど

そんなことを感じた、屋久島の森でした。

 

推定樹齢2000年の釈迦杉の前でパチリ☆

 

 

ひろみ