今回、Bioneersやエサレンを訪れる合間に
ベイエリアで自由な時間を過ごす中で
いくつもの「開かれた菜園」のある場所を訪ることができました。
過去には、10年近くこの地に住んでいたのに、
こういう場所があったのは、最近になるまで
知らなかった私。
そして、あらためて気づいた、というか
思い出したこと。
ベイエリアには、色んな形のギフトエコノミーや
ギフティビズム(与える精神)が存在していて、
それ自体がメッセージ性を持っている。
バーニングマンの文化などもある場所なので
これまでも、いろんな形のギフティビズムは
体験してきているけれど、(例えばこれとか)
今回見てきたのは、土や菜園とも密着した形で
起こっているもの。
今回訪れた場所のうち、二つを紹介しますね。
一つ目は、海くんからも何度も聞いていた、
オークランドにある「Casa de Paz(カサデパス)」。
オークランドの中でも特にこのエリア一帯は、
アフリカンアメリカンのギャングも多く住んでいる
決して安全とは言えないエリアで、警察による
差別的な取り締まりなども頻繁に起こっている場所。
そんな中にひっそりとある、この小さなコミュニティは
いくつかの家と、共有ガーデンから成り立っていました。
ここを運営しているサムとパンチョは、こんな場所で
あえて家に鍵をかけないで、「平和」の実践のための
さまざまなプラクティスをしているのだそう。
今回は、週に2回行われている「Awaking Circle」という
瞑想の会に参加したのだけど、瞑想の後は、
彼らがファームのお手伝いなどを通して得た野菜を使った
おいしい料理が、参加者の私たちにギフトでふるまわれした。
写真はないのだけど、瞑想の後の食事タイムは
なんとも明るく賑やかで、暖かい感じの雰囲気に包まれ
人種や言葉の壁を超えた一体感がそこにはありました。
「また気軽にきてね!」というパンチョの笑顔に見送られ、
沢山の愛のエネルギーに包まれた感覚と共に
来た時よりも数段に心がオープンになった私たちは、
ここが危険なエリアのど真ん中だという意識もどこへやら
すっかり暗くなった夜空を見上げながら、
帰路に着いたのでした。
また、サンフランシスコ市内のミッション地区にも
とある「開かれた菜園」がありました。
ミッション地区といえば、昔は若者やアーティストなどが
多く住んでいたけど、今ではグーグルやツイッターなどの
IT企業で働く若者や、スタートアップ系の起業家たちが住む、
超ヒップなエリア。
ジェントリフィケーションの影響で、家賃も高騰し
住人たちの多様性もかなり減ってしまい、
古き良きサンフランシスコの文化が消えつつあるのが
私としては、なんとも残念なのだけど。
そんなエリアに、こういった街の急速な変化から
まるで影響を受けていないかのごとく、
囲いの中にひっそりと、その菜園はありました。
足を踏み入れると、話に聞いていた「ツリーさん」という名前で
親しまれている白髪のおじいちゃんが迎え入れてくれました。
思っていたよりもだいぶ広い敷地にあるこの菜園もまた、
ツリーさんがギフトでやっているそうで、
色んな人たちが、ツリーさんを訪れてきては、
束の間の会話を楽しみつつ、野菜をもらっていました。
私たちは滞在中、小さな苗の鉢入れのお手伝いしたり
腐葉土から不必要なゴミを取り除く作業をしたり、
ツリーさんと一緒に外を散歩したりして、
都会のど真ん中とは思えないような、懐かしさすら感じる
のんびりした時間を過ごしました。
ツリーさん曰く、この菜園はもう何十年もやってるそうで
以前はもっと、サンフランシスコ市内の通りにも
果樹の木などがあり、このエリア一帯が
エディブルな場所だったそう。
ゆったりとした独特なテンポのツリーさんと話していると
まるで、この地に何十年も立っている木の精霊と
会話しているかのような、不思議な気分に、、、。
数時間過ごした後、ツリーさんにお土産にアボガドや
オレンジをたくさんいただきました。
ツリーさん、ありがとう〜〜!
今回、こういった菜園を訪れる中で、彼らは、
ただ自分が食べたいものを育てているという
わけではなく、それを周りと分かち合うことを
大切にしている、ということに気づきました。
海くん曰く、ここベイエリアにおける畑や菜園というのは、
ポリティカル・アクションとしての意味合いが強いとのこと。
「仕事がないと食べていけない」という不安からの脱却を
畑や菜園を通して実践するという、アクティビズムの形の一つで
消費者から創造者になる、というカウンターカルチャーでもある。
実はここ数年、グーグルやツイッター、その他多くの
IT企業で働くベイエリアの若者たちの間でも、
大地と繋がった暮らしや、生きる意味や精神性の探求の中で
ガーデニングやパーマカルチャーに出会ったり、
エサレン研究所のような場所でリトリートに参加する人が
少しずつ増えてきているようなのです。
常にハイスピードで変化し続けるベイエリアにおいても
「いのちのエネルギー」や「つながり」という、
生きていく上での根源的なところへと向かう流れが
起こリつつある今。
Bioneersに参加するベイエリアの若者たちも増えているし、
今後またこの地で、60年代に起こった人間性回復運動
(ヒューマンポテンシャルムーブメント)のようなものが
新しい形で復活する予感さえちょっと感じている
今日この頃です。
菜園とギフティビズム
/カテゴリ: 旅と日常と気づきと今回、Bioneersやエサレンを訪れる合間に
ベイエリアで自由な時間を過ごす中で
いくつもの「開かれた菜園」のある場所を訪ることができました。
過去には、10年近くこの地に住んでいたのに、
こういう場所があったのは、最近になるまで
知らなかった私。
そして、あらためて気づいた、というか
思い出したこと。
ベイエリアには、色んな形のギフトエコノミーや
ギフティビズム(与える精神)が存在していて、
それ自体がメッセージ性を持っている。
バーニングマンの文化などもある場所なので
これまでも、いろんな形のギフティビズムは
体験してきているけれど、(例えばこれとか)
今回見てきたのは、土や菜園とも密着した形で
起こっているもの。
今回訪れた場所のうち、二つを紹介しますね。
一つ目は、海くんからも何度も聞いていた、
オークランドにある「Casa de Paz(カサデパス)」。
オークランドの中でも特にこのエリア一帯は、
アフリカンアメリカンのギャングも多く住んでいる
決して安全とは言えないエリアで、警察による
差別的な取り締まりなども頻繁に起こっている場所。
そんな中にひっそりとある、この小さなコミュニティは
いくつかの家と、共有ガーデンから成り立っていました。
ここを運営しているサムとパンチョは、こんな場所で
あえて家に鍵をかけないで、「平和」の実践のための
さまざまなプラクティスをしているのだそう。
今回は、週に2回行われている「Awaking Circle」という
瞑想の会に参加したのだけど、瞑想の後は、
彼らがファームのお手伝いなどを通して得た野菜を使った
おいしい料理が、参加者の私たちにギフトでふるまわれした。
写真はないのだけど、瞑想の後の食事タイムは
なんとも明るく賑やかで、暖かい感じの雰囲気に包まれ
人種や言葉の壁を超えた一体感がそこにはありました。
「また気軽にきてね!」というパンチョの笑顔に見送られ、
沢山の愛のエネルギーに包まれた感覚と共に
来た時よりも数段に心がオープンになった私たちは、
ここが危険なエリアのど真ん中だという意識もどこへやら
すっかり暗くなった夜空を見上げながら、
帰路に着いたのでした。
また、サンフランシスコ市内のミッション地区にも
とある「開かれた菜園」がありました。
ミッション地区といえば、昔は若者やアーティストなどが
多く住んでいたけど、今ではグーグルやツイッターなどの
IT企業で働く若者や、スタートアップ系の起業家たちが住む、
超ヒップなエリア。
ジェントリフィケーションの影響で、家賃も高騰し
住人たちの多様性もかなり減ってしまい、
古き良きサンフランシスコの文化が消えつつあるのが
私としては、なんとも残念なのだけど。
そんなエリアに、こういった街の急速な変化から
まるで影響を受けていないかのごとく、
囲いの中にひっそりと、その菜園はありました。
足を踏み入れると、話に聞いていた「ツリーさん」という名前で
親しまれている白髪のおじいちゃんが迎え入れてくれました。
思っていたよりもだいぶ広い敷地にあるこの菜園もまた、
ツリーさんがギフトでやっているそうで、
色んな人たちが、ツリーさんを訪れてきては、
束の間の会話を楽しみつつ、野菜をもらっていました。
私たちは滞在中、小さな苗の鉢入れのお手伝いしたり
腐葉土から不必要なゴミを取り除く作業をしたり、
ツリーさんと一緒に外を散歩したりして、
都会のど真ん中とは思えないような、懐かしさすら感じる
のんびりした時間を過ごしました。
ツリーさん曰く、この菜園はもう何十年もやってるそうで
以前はもっと、サンフランシスコ市内の通りにも
果樹の木などがあり、このエリア一帯が
エディブルな場所だったそう。
ゆったりとした独特なテンポのツリーさんと話していると
まるで、この地に何十年も立っている木の精霊と
会話しているかのような、不思議な気分に、、、。
数時間過ごした後、ツリーさんにお土産にアボガドや
オレンジをたくさんいただきました。
ツリーさん、ありがとう〜〜!
今回、こういった菜園を訪れる中で、彼らは、
ただ自分が食べたいものを育てているという
わけではなく、それを周りと分かち合うことを
大切にしている、ということに気づきました。
海くん曰く、ここベイエリアにおける畑や菜園というのは、
ポリティカル・アクションとしての意味合いが強いとのこと。
「仕事がないと食べていけない」という不安からの脱却を
畑や菜園を通して実践するという、アクティビズムの形の一つで
消費者から創造者になる、というカウンターカルチャーでもある。
実はここ数年、グーグルやツイッター、その他多くの
IT企業で働くベイエリアの若者たちの間でも、
大地と繋がった暮らしや、生きる意味や精神性の探求の中で
ガーデニングやパーマカルチャーに出会ったり、
エサレン研究所のような場所でリトリートに参加する人が
少しずつ増えてきているようなのです。
常にハイスピードで変化し続けるベイエリアにおいても
「いのちのエネルギー」や「つながり」という、
生きていく上での根源的なところへと向かう流れが
起こリつつある今。
Bioneersに参加するベイエリアの若者たちも増えているし、
今後またこの地で、60年代に起こった人間性回復運動
(ヒューマンポテンシャルムーブメント)のようなものが
新しい形で復活する予感さえちょっと感じている
今日この頃です。