ホピ族の今

 

グランドキャニオンの絶景を堪能した翌日

今回の旅の最後の目的地である

ホピ族の村の一つ

セカンドメサに向かいました。

 

 

ホピ族。

 

 

これまで、自分の中ではなぜか

ネイティブアメリカンと言えば

自然と「ホピ族」のことを思い浮かべていました。

 

ホピ族は、マヤ文明の末裔と言われていて

「ホピ」とは彼らの言葉で

「平和の民」という意味だそう。

 

昔から伝わる神話や「ホピの予言」などにおいて

スピリチュアルな観点から

「世界の未来」を示唆している

大変興味深い民族です。

 

 

ホピ族は古代から今に至るまで

高い意識と霊性をもちつづけていて

族にまみれていない崇高な部族なんだろうなぁ、、、

という印象を持っていました。

 

 

 

今回、まず目指した先は、セカンドメサにある

本日の宿でもあるホピ・カルチャーセンター

 

 

ナバホ・トレイルと呼ばれる160号線から

ホピ族の村に続く264号線に入ったとたん

そこに佇む空気感の予想外な違いを感じました。

 

 

160号線ぞいにある、大型スーパーにて

飲み物を購入したのですが、その時から

実はすでに何か感じるものがありました。

 

そこのスーパーは、店員さんもお客さんも

ほぼ皆ネイティブアメリカンなのだけど

レジでキャッシャーのお姉さんに

 

「ホピのセカンドメサに行くのは

ここからどの位かかる?」と聞くと

 

「It’s that side. I have no idea.

(ホピはあっち側。知らないわ)」

という返答。

 

 

 

駐車場で別の人に同じ質問をしたのですが

返事は同じく「I don’t know. 」。

 

 

後で調べて「なるほど」と思ったのだけど

この160号線から北はナバホ

南がホピの居住区で

この時に声をかけたのは皆

ナバホの人だったのです。

 

そしてナバホ族とホピ族は、あまり交流がない

というか、関係が良くないらしいのです。

 

 

青い空と黄金色の荒野、そしてひたすら続く

コンクリートの一本道。

 

 

ホピ族のメサ

 

行き交う車もほどんどなく、たまにすれ違うと

ドライバーが手で挨拶してくれたりして

その人の気配の少なさに、なんとも不思議な気分に。

 

ちなみにホピのエリアは

許可なく写真を撮ってはいけないので

この先は自分の目で

一瞬一瞬を大切に見納めることに。

 

 

そして、ようやく本日の宿泊先

ホピ・カルチャーセンターに到着。

 

 

近くには、ミュージアムもあったので

入り口まで行ったのですが、すでに閉まっていました。

 

入り口付近にあった掲示板にふと目をやると

半分はホピの人に向けた「糖尿病」ための

情報が、所狭しと貼ってありました。

 

ホピの人たちも、深刻な糖尿病に悩まされているらしく

またしても「ホピ族=スピリチュアル」の

イメージが揺らぎます、、、。

 

ミュージアムの外では

見たからに糖尿病を患っていそうな

太っていて顔色のくすんだ男性たちが

ホピの伝統工芸品、カチナドールを

売っていました。

 

 

ホピ族は太古から、全てのものには

「カチナ(精霊)」が宿っていると信じ

カチナドールは、その精霊をそれぞれ形にしたもの。

 

精霊の種類も非常にたくさん存在していて

それらの精霊達は、南にある聖なる山

サンフランシスコ・ピークスに住んでいるそう。

 

色々とカチナについて説明してくれるお兄ちゃん達。

 

 

話を聞くうちに、私もカチナについて色々と

興味が出てきたのですが、いざ買うとなると

本気でじっくりと良品を探すタイプなので

今回はその場の勢いでは買わず

お話だけ聞かせてもらいました。

 

 

 

外で食事をして部屋に戻り、センターにあった

ホピの新聞「The Bruin Times」を一読。

 

この新聞、ホピ高校の生徒の自主制作によるものだそう。

 

 

 

ここに載っていた、生徒のVanceさんによる

「Communities can use more respect」という

記事が衝撃的でした。

 

****(以下、和訳してみました)****

 

私たちの暮らすホピの居住区は

今や昔の平和を失ってしまいました。

 

皆、プライドが高くなりすぎて

他者への尊敬が見られません。

 

どうやったらこのコミュニティは

変われるのでしょう。

 

誰か一人の力ではどうしようもなく

皆で協力しなければなりません。

 

我々の長老達は、ホピたる者は

親切かつ互いを尊敬すべきだと

語り継いできました。

 

破壊的になったり

幼稚なことをしている場合ではないのです。

 

生きていると、避けて通れない問題もありますが

だからといって、怒りを他者の所有物などに

向けてはいけません。

 

自分の所有物が誰かに破壊されたら

あなたはどんな気分になりますか?

 

アルコールやタバコ、ドラッグなどでない

もっとポジティブな娯楽も多くあります。

 

ドラッグは大切な脳細胞を破壊します。

 

アルコールは健康を害す上

想像を絶する馬鹿げた行動をさせます。

 

それによって、家族や友人との関係も台無しになる上

お金も無駄になります。

 

ゴミのポイ捨ても深刻な問題です

誰が汚い環境に住みたいでしょうか?

 

私たちは可能な限り

もっと村の清掃に努めるべきです。

 

ドラッグの使用も居住区によくない影響を及ぼします。

 

特に儀式のときなどは

皆ホピの伝統を尊敬すべきです。

 

誰か一人だけの力に頼らず

皆で支えあって改革を起こしましょう。

 

*********************

 

 

ホピ族も今や、沢山の複雑な課題を

抱えているようだけど、ホピの若者達から

「ホピ・スピリット」アイデンティティが

失われていないことも感じることができました。

 

(続く)