Day 8
コースも終盤に近づき
瞑想への集中力も高まると同時に
少しずつ自信もついてきた8日目に、、、
事件は突如、起こりました。
朝の9時。
瞑想ホールでのグループ瞑想後
つかの間の休憩時間に
自分の座布団の上でストレッチをしていたところ、、、
「キェーーーーーーーーーーーーッ!!!」
という、聞いたことのないような
大きな奇声が聞こえました。
一瞬、すぐ外でシカが啼いているのかと思い
頭を上げたその瞬間、、、、
なんと、、、、
奇声をあげた女性ティーチャーが
恐ろしいまでに顔を歪め
座っていた高めの台から
床に崩れ落ちてしまったのです!!
ゴンッ!という大きな音と共に
頭部を打ってしまった彼女は
口から泡を吹きながら意識不明の状態に。
え、、、、、、、、、、、!!!!
目の前で起こった、信じられない光景。
全身に鳥肌が立ち、全身が一瞬にして硬直する私。
連日の瞑想疲れで、悪い夢でもみているのかと
思ったけれど、その時の私の身体に生じた感覚は
リアルそのもの。
そして次の瞬間、ホール内に動揺と混乱
叫び声の嵐が起こりました。
「キャーーーーーーーーーー!!!」
「救急車を呼べーーーーーー!!!」
「誰か携帯もってる人いないのーー!!!」
「そんなの持ってないよ!
コース前に受付に預けたじゃないか!!」
何人かの人達がティーチャーの身体を持ち上げ
他の部屋に運ぼうとしたのですが
ある男性生徒が
「だめだ!!頭を持ち上げるな
今身体を動かしちゃ駄目だ!」
と叫んだため、彼女の身体は
その場で毛布に包んで横たわらせ
マネージャー達が手配した救急車の到着を待つことに。
男性ティーチャーが
「みなさん、各自で休憩をとって下さい!」と
しっかりした声で皆に落ちつくよう促すも
混乱は全く収まらず。
この光景の一部始終を目の当たりにした私は
だんだん具合が悪くなってきてしまい
一旦外に出るも、膝に全く力が入らず
その場にしゃがみ込んでしまいました。
彼女はある程度お年を召しているし
救急車の到着が遅れて、もしかしたらあのまま
死んでしまうのではないかと思うと
恐怖や不安といった感情から
心臓がバクバク音をたてて鼓動し
無意識に心を落ちつかせようとしているのか
深呼吸がとまらない、、、。
周囲には、しゃべりだす人
動揺のあまりハグをし合う人がいる、、、
そう、8日目にしてコース内の「聖なる沈黙」が
破られてしまったのでした。
10分、20分と経過し
次の個人瞑想の時間が始まるも、未だ混乱は収まらず
誰も瞑想を始める気配がなかったので
マネージャーが大きな声で皆に
聖なる沈黙を守ることと
今すぐ自分のパゴダの個室に入って瞑想を始めるよう
指示を出しました。
狭くて真っ暗な個室では
心は恐怖、不安、心配、緊張、動揺、落胆などの
感情で満たされはじめ、気分も悪く
瞑想などままならない状態に。
この日までに培ってきた集中力への自信も
見事に崩れ去りました。
人の命もアニッチャ(無常)であることは
頭では分かっているけれど
この「心の手術中」というタイミングで
信頼を置く指導者が倒れてしまうと
まだ手術を完了していない無防備な心は
立ち往生してしまう、、、。
もう嫌だ、、、、。
今回のコースは無かったことにしよう、、、。
そんな風に、半ば投げやりになっていた矢先、、、、
スピーカーからいつも通りの声で
ゴエンカ師のいつもと同じ
インストラクションが流れてきました。
頭からつま先までの感覚を
ただ感じ続けなさい・・・・
それらの感覚に対し、渇望することなく
嫌悪することなく・・・
いかなる状況下においても
平静な心を保ちなさい・・・・・
アニッチャー
アニッチャー
アニッチャー。
この時ほど、師の声が心にガツンと
響いたことはありませんでした。
これからも、私の人生においては
自分の力ではどうにもならないような
困難な状況が幾度も訪れるはず。
それなのに、その度にいちいち動揺し
不安になったり嘆いたりしていては
いつまで経っても安らぎと調和に満ちた日々を
送ることはできない、、、。
だから、いかなる困難な状況下でも
心のバランスを乱すことなく
「常に平静」でいる術を学ぶために
この瞑想をしているんだった、、、!!
こうして、ヴィパッサナ瞑想することの
本来の動機と目的に気づいたとき
ハッとすると同時に、自分の内に少しずつ
落ち着きを取り戻せたのでした。
コース中、最もチャレンジングとなったこの日。
そして、ヴィパッサナ瞑想をする
動機と目的を再確認した日。
実際、一ヶ月前に亡くなられたゴエンカ師は、
「真理を説く人(先生)に帰依しするのではなく
このブッダの時代から引き継がれてきた教えを基に
自分自身で体験した真理、つまり
ダンマを自身の島(よりどころ)にしなさい」
と言っており、師の講話が思いきり腑に落ちた日
でもありました。
今回の出来事は、今思えば
とても大切なことに気づくために
ティーチャーから与えられた
大きなギフトだったのでした、、、。
(続く)
PS:幸い、代理の女性ティーチャーが
すぐさまコースを引き継ぎ
さらに、倒れたティーチャーも
コース終了までに容態が回復し
皆と笑顔で話せるところまで至っていました。
(てんかん発作だったそう)
ヴィパッサナ瞑想記 in カリフォルニア 7
/カテゴリ: メディテーションDay 8
コースも終盤に近づき
瞑想への集中力も高まると同時に
少しずつ自信もついてきた8日目に、、、
事件は突如、起こりました。
朝の9時。
瞑想ホールでのグループ瞑想後
つかの間の休憩時間に
自分の座布団の上でストレッチをしていたところ、、、
「キェーーーーーーーーーーーーッ!!!」
という、聞いたことのないような
大きな奇声が聞こえました。
一瞬、すぐ外でシカが啼いているのかと思い
頭を上げたその瞬間、、、、
なんと、、、、
奇声をあげた女性ティーチャーが
恐ろしいまでに顔を歪め
座っていた高めの台から
床に崩れ落ちてしまったのです!!
ゴンッ!という大きな音と共に
頭部を打ってしまった彼女は
口から泡を吹きながら意識不明の状態に。
え、、、、、、、、、、、!!!!
目の前で起こった、信じられない光景。
全身に鳥肌が立ち、全身が一瞬にして硬直する私。
連日の瞑想疲れで、悪い夢でもみているのかと
思ったけれど、その時の私の身体に生じた感覚は
リアルそのもの。
そして次の瞬間、ホール内に動揺と混乱
叫び声の嵐が起こりました。
「キャーーーーーーーーーー!!!」
「救急車を呼べーーーーーー!!!」
「誰か携帯もってる人いないのーー!!!」
「そんなの持ってないよ!
コース前に受付に預けたじゃないか!!」
何人かの人達がティーチャーの身体を持ち上げ
他の部屋に運ぼうとしたのですが
ある男性生徒が
「だめだ!!頭を持ち上げるな
今身体を動かしちゃ駄目だ!」
と叫んだため、彼女の身体は
その場で毛布に包んで横たわらせ
マネージャー達が手配した救急車の到着を待つことに。
男性ティーチャーが
「みなさん、各自で休憩をとって下さい!」と
しっかりした声で皆に落ちつくよう促すも
混乱は全く収まらず。
この光景の一部始終を目の当たりにした私は
だんだん具合が悪くなってきてしまい
一旦外に出るも、膝に全く力が入らず
その場にしゃがみ込んでしまいました。
彼女はある程度お年を召しているし
救急車の到着が遅れて、もしかしたらあのまま
死んでしまうのではないかと思うと
恐怖や不安といった感情から
心臓がバクバク音をたてて鼓動し
無意識に心を落ちつかせようとしているのか
深呼吸がとまらない、、、。
周囲には、しゃべりだす人
動揺のあまりハグをし合う人がいる、、、
そう、8日目にしてコース内の「聖なる沈黙」が
破られてしまったのでした。
10分、20分と経過し
次の個人瞑想の時間が始まるも、未だ混乱は収まらず
誰も瞑想を始める気配がなかったので
マネージャーが大きな声で皆に
聖なる沈黙を守ることと
今すぐ自分のパゴダの個室に入って瞑想を始めるよう
指示を出しました。
狭くて真っ暗な個室では
心は恐怖、不安、心配、緊張、動揺、落胆などの
感情で満たされはじめ、気分も悪く
瞑想などままならない状態に。
この日までに培ってきた集中力への自信も
見事に崩れ去りました。
人の命もアニッチャ(無常)であることは
頭では分かっているけれど
この「心の手術中」というタイミングで
信頼を置く指導者が倒れてしまうと
まだ手術を完了していない無防備な心は
立ち往生してしまう、、、。
もう嫌だ、、、、。
今回のコースは無かったことにしよう、、、。
そんな風に、半ば投げやりになっていた矢先、、、、
スピーカーからいつも通りの声で
ゴエンカ師のいつもと同じ
インストラクションが流れてきました。
頭からつま先までの感覚を
ただ感じ続けなさい・・・・
それらの感覚に対し、渇望することなく
嫌悪することなく・・・
いかなる状況下においても
平静な心を保ちなさい・・・・・
アニッチャー
アニッチャー
アニッチャー。
この時ほど、師の声が心にガツンと
響いたことはありませんでした。
これからも、私の人生においては
自分の力ではどうにもならないような
困難な状況が幾度も訪れるはず。
それなのに、その度にいちいち動揺し
不安になったり嘆いたりしていては
いつまで経っても安らぎと調和に満ちた日々を
送ることはできない、、、。
だから、いかなる困難な状況下でも
心のバランスを乱すことなく
「常に平静」でいる術を学ぶために
この瞑想をしているんだった、、、!!
こうして、ヴィパッサナ瞑想することの
本来の動機と目的に気づいたとき
ハッとすると同時に、自分の内に少しずつ
落ち着きを取り戻せたのでした。
コース中、最もチャレンジングとなったこの日。
そして、ヴィパッサナ瞑想をする
動機と目的を再確認した日。
実際、一ヶ月前に亡くなられたゴエンカ師は、
「真理を説く人(先生)に帰依しするのではなく
このブッダの時代から引き継がれてきた教えを基に
自分自身で体験した真理、つまり
ダンマを自身の島(よりどころ)にしなさい」
と言っており、師の講話が思いきり腑に落ちた日
でもありました。
今回の出来事は、今思えば
とても大切なことに気づくために
ティーチャーから与えられた
大きなギフトだったのでした、、、。
(続く)
PS:幸い、代理の女性ティーチャーが
すぐさまコースを引き継ぎ
さらに、倒れたティーチャーも
コース終了までに容態が回復し
皆と笑顔で話せるところまで至っていました。
(てんかん発作だったそう)